事務運営指針等の改正
令和元年度税制改正を受けた法令以外の改正も着々と
令和元年度税制改正は、久々の移転価格税制大幅改正として注目を集めたところですが、日本における移転価格税制の執行上、税務当局が指針とする「移転価格事務運営要領」(事務運営指針)や、事務運営指針の適用上のポイントを示した「別冊 移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」についても2019年6月28日付けで改正されました。
事務運営指針等の改正に当たってはパブリックコメントの受付がなかったこともあり、ひっそりと改正された印象があるかもしれませんが、税務当局の考え方を知る上でも重要な指針が示されています。詳細は割愛しますが、今回の改正で新設された主な指針は以下の通りです。
- いわゆるDCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法の適用上の指針(移転価格算定方法としての優先度、適用上の留意事項等)
- いわゆる所得相応性基準の導入に伴う指針(特定無形資産に該当するかどうかの判断基準、適用免除の検討上の留意事項)
- 差異の調整における統計的手法の適用に関する指針(差異の調整の考え方、中央値による調整に関する指針、独立企業間価格の算定における四分位範囲の適用等)
(2019年7月30日)